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「LAPSE ラプス」主演・栁俊太郎×藤井道人プロデューサーにロングインタビュー!

俳優、モデルとして多方面で活躍中の栁俊太郎さん。栁さんは、『デイアンドナイト』、『新聞記者』の監督・藤井道人さんがプロデューサーを務めるオムニバス映画『LAPSE ラプス』の一篇『SIN』に主演しています。

『SIN』は2062年を舞台に、幼少期に見たVRシミュレーションの暗い未来が現実化してしまうのでは、と苦悩するアマ(栁さん)の行く末を描いた物語。

NOSHでは、旧知の仲という栁さん&藤井プロデューサーに単独インタビューを実施、5年越しで実現したタッグについて、語り合ってもらいました。

Q:元々、おふたりはお知り合いなんですか?

藤井プロデューサー(以下、藤井P):そうなんですよ。俊太郎くんとは……もう、5年前とかだよね?

栁俊太郎(以下、栁):5年ぐらいになるんですかねえ。『デイアンドナイト』も観ましたし、昨日、笠松(将)に会いましたよ。お茶しました。

Q:お茶したんですか(笑)。笠松さん、『デイアンドナイト』にご出演されていますもんね。

栁:カフェ行きました。昨日ちょうど休みだったんですけど、午前中にいきなり電話がきて、「何してる?今からさ、(新田)真剣佑と3人で遊ぼうよ」って。

藤井P:贅沢だな……!

栁:カフェで、昼からカードゲームをしました。

藤井P:かわいい遊びだね(笑)。実は、2014~2015年に、クランクイン3週間前に撮影が中止になった、僕のオリジナル映画があったんです。その主演で俊太郎くんにオファーをしていて。

Q:では、5年越しにようやくご一緒できた、という感じでしょうか。

藤井P:そうです。でも、今回、僕は監督としてではなくプロデューサーなので、次こそ、がっつりやりたいですね!

栁:本当に、ぜひぜひ。

Q:今回は、なぜ監督ではなくプロデューサーという立場で入ったんですか?

藤井P:僕は『BABEL LABEL』という映像プロダクションをやっているんです。少しずつディレクターが増えてきたので、今回はプロデューサーという立場で、脚本作りからキャスティングを裏方でやってみたいなと思ったからです。

栁:今、ディレクターは何人いるんですか?

藤井P:7人ぐらいかな。平均年齢25歳ぐらいの若いチームなんです。今回、8~9割はオーディションでお願いしたんですけど、アマだけは、どうしても俊太郎くんにやってほしくて、僕が直接オファーしました。

Q:栁さんは率直に、オファーを受けていかがでしたか?

栁:いや、それはもううれしかったです。ずっとやりたかったんで。それに『LAPSE ラプス』はテーマもすごく面白いし、『ブラック・ミラー』(※英ドラマシリーズ)に近い感じだな、と思ったんです。

僕、すごくはまっていたドラマで、近未来の話だったのでちょうどイメージしやすくて。日本でリアリティーのある近未来の話って、これまでなかなかなかったじゃないですか。

藤井P:ないよね。『ブラック・ミラー』の何が素晴らしいかって、ただのSFじゃなくて、社会的風刺をすごく入れているところですよね。

栁:日本では何でなかったんだろうって、思っていたところだったんです。藤井さんのプロデュースで、しかもBABELの作っている映像は格好いいイメージなので、単純にすごく楽しみだなと思っていました。

Q:実際、クランクインする前など、おふたりの間で具体のお話し合いはされたんですか?

藤井P:1回、監督と俊太郎くんと、メインのキャストさんと、どういう世界観で、どういうトーンで、どういうことを伝えたいか、どういうアプローチができるのか、というディスカッションはしました。ただ、キャラクターとしてこうしてほしい、ということは監督と話すことだなと思ったので、僕は一切せず。

栁:そもそも藤井さん、「いや、俺は、今回は……」とちょっと引いてる感じ、あった。

藤井P:(笑)、そんなことないよ。

栁:監督とセッションさせようっていう、藤井さんの思いかな、と。

藤井P:そういう意味では、……個人的には、現場でプロデューサーがモニターチェックしに来るのが大嫌いだし、マネージャーがゴチャゴチャ言ってくる現場も嫌いで(苦笑)。監督と俳優部がディスカッションをする場って、すごい不可侵というか、誰も入ってはいけない領域だと思っているんです。のびのびやってほしいですし。

だから現場にも極力行かないようにするのが、今回の僕の立ち位置かと思って。あたかも監督が二人いるかのように見えてしまうと、俳優部はどっちの意見を聞けば……となってしまうから。

Q:藤井さんの心遣いというか、思いがあって、だったんですね。

藤井P:現場は任せる分、脚本作りまでをしっかりやるのが、僕の務めでした。そもそも近未来の話って難しくて、オチをハッピーエンドにするか、バッドエンドにするのか、とかも……脚本も何度も変わったりしましたし。しっかり橋渡しをするべく、やっていました。

Q:では、栁さんは志真健太郎監督とどのようなディスカッションをされたんですか?

栁:うーん……役作りという意味では、アマは結構自分に近いところがあったんです。そこを今回、より追求というか、出してみたりしました。なので、監督には、「この出来事のときは、こういう感情で」とか、確認で聞いたりはしましたかね。

Q:ご自分に近い部分があったんですね?

栁:うん。結構ありました。出来事が近いというよりも、自分もこう思うだろうなあ、と共感できるところがありました。

Q:以前、『デメキン』で栁さんにインタビューしたとき、役のことを思いすぎて吐いてしまったとおっしゃっていて(https://nosh.media/archives/581635)、それほど入り込む方なので、アマを演じるのもだいぶきつかったのではないかと想像したのですが。

栁:現場で吐いた話ですよね。本当に……終わってみて、撮影を振り返って今だから言えますけど、アマってかわいそうなやつだなって。小さい頃から自分の暗い将来を突きつけられるのは、それ(終わり)に向けてのカウントダウンになるわけで。わかりやすく言うと、余命を言われた感覚に近いと思うんです。苦しいし、本当にかわいそうだなって……今になって思いました。

Q:撮影当時は、どんなふうに感じていたんですか?

栁:当時は……自分の中にもある、反骨的なものがより出ていたなと思います。弱いやつが現実を突きつけられて、でも愛する人もいて……。ひとり、孤独になったから未来に抗わざるを得ない環境に落とされた人間なんだと。そのときは「かわいそう」とかではなく、反骨精神の気持ちでやっていました。

藤井P:うん。アマは片親で、住んでいるとこはスラム。そういうところからは、いわゆる犯罪者が出る確率が高いという統計のもとに、アマは「いつか自分は犯罪をしてしまうんだろうな」と思うんでしょうね。

『SIN』は「罪」という意味なんですけど、アマにどう背負ってもらうかというのが、ひとつ鍵で。志真監督は、アマを「俺は、未来を変えてやるぜ!ウオー!」という男ではなく、すごくニュートラルに描いたと思うんです。もしも情熱的な主人公であったら、もしかしたらこの映画は、すごく意味が変わってしまったと思っています。

Q:栁さんが演じることで、ハマったと言いますか。

藤井P:はい。俊太郎くんがアマを演じてくれたことによって、怯えが見えるんですよ。その怯え自体が、おそらく今20~30代の人たちが、生きていく上で感じている恐怖感に、僕はすごくマッチしたと思っているんです。どう生きていけばいいか、自分の未来がわからない感情と似ているというか。ラストシーンでは、アマが大事な台詞を吐くんですけど、その台詞の言い方ひとつで、「この映画はすごく意味があったな」って、僕は思えました。(取材、文:赤山恭子、写真:映美)

インタビューは後編に続きます。

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赤山恭子
エンタメライター
エンタメ雑誌編集部、映画のディストリビューターを経て、現在は主に映画&テレビ関係のインタビューや取材を担当。基本おもしろ好きなので、いろいろなところに首を突っ込んでは、ワクワクした毎日を過ごす。
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